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――12月28日号の「経営ネットワーク」より――

〜企業最前線〜

ファースト電子開発株式会社

 世界の市場で、求められるニーズに即したアイディアを提供し、製品化する

 
社名 ファースト電子開発株式会社  
住所   東京都北区上十条 4−15−5
п@   03−5248−6644
創業      昭和42年
社長      伊藤 義雄
資本金     1000万円
業務内容    小型無線通信機・受信機、無線応用機器、スポーツ競技用計時装置等の開発・設計・製造及び自社ブランド製品の販売
従業員     5名
沿     革
昭和42年 ファースト電子創業
昭和47年 株式会社に組織変更
昭和48年 アマチュア無線用高性能オーディオコンプレッサーの開発に成功
昭和57年 小型FMステレオ放送装置を開発し、資生堂化粧品に採用される
平成元年 スポーツカーレース用タイム計測・記録装置を開発
平成 9年 東京都北区にて優秀製品開発賞を受賞
 お問い合せはEメール又は電話で:toiawase1@first-ele.co.jp    TEL:03-5248-6644
ニッチ産業を開拓する、多品種少量生産の開発型メーカー

 北区上十条の「ファースト電子開発梶vは社名の通り、電気・電子関連の機器を開発、設計、製造するメーカー。とくに無線関連や特殊防犯機器、スポーツ競技用計時装置などの分野で高い技術力を誇り、同社の製品を国内のみならず世界各国で販売されている。

 社長でありエンジニアである伊藤義雄氏は、芝浦工大の電子工学科を卒業して沖電気に入社、27歳で同社を設立した経緯を持つ。以来30余年、自らが陣頭指揮をとって開発に携わり、ニッチ産業とも言える様々な分野を開拓してきた。「私自身、大企業が参入しない分野にビジネスチャンスがあると思って、この仕事を続けてきました。専門知識を持つ人々が欲する、本当に性能のいいものを提供したい。その方向性は今でも変わりません」(伊藤氏)。

 ここへ来て、不況のあおりを受けた企業がニッチ産業に参入する傾向が強まっているが、伊藤氏はそうした安易な参入に警鐘を鳴らす。「ニッチ産業は細く長くわき出る清水のようなもの。量産型の『効率よく安くいいものを宣伝して売る』という発想で開発すれば、マーケット自体を破壊する恐れがあります。この世界では本当にいいものが適正価格で売られるべきなのです」と伊藤氏。それは真にニッチ産業の大切さと深さを知る人ならではの発言だ。

早く、いいものを』提供。スピーディーな対応が信頼に

 伊藤氏が開発したものの中には、アマチュア無線機器(昭和48年)やミニFM局の放送装置(昭和57年)など、その分野を急速に伸長させるきっかけとなった商品も数多くある 平成元年には、世界有数の時計メーカー・タグホイヤーの依頼を受け、1/1000秒を計測する「スポーツ競技用タイム計測システム」を開発。現在スキーのWカップやF1レース、五輪予選などスピード競技の場で、公式時計として活躍している。

 「当社の開発者は、無線機器では一流の技術力を、電気・電子部門ではどんなジャンルにも対応できる幅広い知識と技術力をもっていると自負しています。ミニFMステレオ放送装置の開発以来、そうした私共の技術を幅広い業種で活かしたいと考え、広く働きかけを行ってきました」(伊藤氏)。

 ただし同社では、営業はほとんど行わない。一つの仕事の結果が次の仕事を生み、さらに次の仕事を生むといった広がり方をしてきたのが特徴だ。その秘密は確実な技術力と開発スピードの早さにある。「当社がモットーとしてきたのは『早く、いいものを』ということ。依頼から3,4ヶ月で試作品まで仕上げる。特に新規取引の場合、それが信頼につながったような気がします」(伊藤氏)。現在、伊藤氏はポケットベルの新しい活用方法の開発プロジェクトに携わっているが、それも依頼からわずか10日間で提案・試作を行ったそう。まさに開発型メーカーの生命線である「アイディア力」の豊かさを実感させる話だ。

異業種との交流にビジネスチャンスを拡げる

 ここ10年の成功で「いいものは必ず評価される」との自信を深めた伊藤氏。今は東京都主催の技術交流会や異業種企業との新製品共同開発に取り組むなど、より積極的なビジネス展開を行っている。「異業種交流の基本は、それぞれの会社が持つ基本的な技術を交流させて新しいものを生むこと。各企業が自社の高度な技術をあれこれ持ちよって1年も話し合ったところで効果は薄い」(伊藤氏)。様々な異業種交流の成功例、失敗例を見てきた伊藤氏の見解である。

 そうした中、伊藤氏は交流の場に広がりを持たせるため、今年10月に同社のホームページを開設。会社概要や事業の沿革などを紹介するとともに、「異業種交流事業」の項目を設け、中小企業やベンチャー企業に活動を呼びかけている。「自社の内容を全世界のお客様に伝えるとともに、中小企業やベンチャー企業が情報を相互に交換しあって、各企業の技術力をうまくビジネスに活かせればいいですね」(伊藤氏)。

 その視野は広く、常に「世界」を捉えて躍進を続けているようだ。創業以来、手形取引を一切おこなわず現金取引のみで経営を行ってきたという同社。「日本の手形は今後、世界進出に必ずネックになる」との伊藤社長の考えも、30年目にして、このビックバンでやっと認知されはじめた。「常識や慣例にこだわっていることろからは新しい発想は生まれてこない」。その姿勢こそがファースト電子開発鰍フ武器である。

ファースト電子開発株式会社のホームページのアドレスは

http://www.first-ele.co.jp/
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           ホームページへ戻ります  更新日 98/12/28